《シア・バターの用途と効能》
セネガルでは、日常的に、髪につけたり、マッサージに使ったり、料理に使ったりしている。
シア・バターは効能が多岐に亘る「天然の万能薬」で、良質のものは調理用として使われ、質が劣るものは燃料、石鹸、ローソク、わらぶき小屋や船の防水用塗料などに加工されている。チョコレートや高価な口紅にも添加されている。
種子の搾りかすは、消化不良性糖質を約40%を含んでいるため飼料としては用いない。
成分の科学的分析は日本、イギリス、アメリカ、フランスなどで行われている。
食品:
・シア・バターの産地では、フライ用の油として使ったり、つなぎとしてソースに加えたりする。
・ビスケットやお菓子に入れる。
・チョコレートの中にはカカオの代わりに、最大5%のシア・バターが使われているものもある。パーム油のように、原料名の欄に、《植物性油脂、植物性脂肪》と記載されている。
・ココアバター代用脂として使われたり、パーム油代替油脂としても使用される。
化粧品:
・肌の保湿・保護。乾燥肌、角質化を防ぐ。乾燥期には、膝小僧、ひじ、かかとにすりこむ。スキンケアに。
・乾燥期にハンドクリームとして使うと手荒れ、ひびわれ、あかぎれなどを防ぐ。
・日焼け止め。紫外線から肌を守る。
・日焼け後のほてりを和らげる。
・ひげそり、かみそり負けに。
・赤ちゃんの肌荒れに。
・洗剤による手荒れに。
・肌の弾力性を高め、シワ・老化肌にはりをあたえる。シア・バターを塗布してマッサージをすると、肌の老化を軽減する。
・循環器系を刺激し、新鮮な血液や酸素が巡る。
治療:
・湿疹、乾癬、皮膚炎の治療。
・天然のステロイドと言われる、スチマステロールが含まれているのでアトピー性皮膚炎の治療に効果がある。
・肌の保護と治癒力を促し、炎症を和らげる。
・筋肉マッサージ、痛みの鎮静。
・腰を痛めた時の塗り薬。
・入浴後にボディークリームとして塗る。
・シア・バターを髪につけ、髪型をセットする。髪の手入れ。ヘヤ―クリームとして使用。
・ふけの発生を抑え、頭皮を柔らかくする。白髪・脱毛の予防。
・筋違い、捻挫、脱臼、筋肉痛、筋肉疲労、関節痛、リュウマチの治療のため、シア・バターを温マッサージで用いる。
・キンキリバの熱いお茶に、シア・バターを混ぜて飲むと、風邪に効く。
・軽いやけど、傷の治療。(傷口の癒合)
・抗炎症の成分は確認されていないが、へその緒の傷の治癒の促進に用いる。
・妊娠線の予防や筋力アップのため、妊婦がお腹など全身に塗る。
・イスラム教の習慣に基き、男児は割礼を施すが、かつては患部の止血と消毒のためにシア・バターが用いられていた。(現在、男子の割礼は病院などで麻酔をかけ衛生的に行われている)
・循環器系を刺激し、新鮮な血液や酸素が巡る。
・脇の下のリンパ腺をシア・バターでマッサージをすると、体に悪い物質を排出する。
・種子は、毒ヘビの抗毒性を持つ。
儀式:
・聖なる儀式で用いる
・出産・結婚・葬式のセレモニーで用いる。
・呪術の際に用いる
赤ちゃんマッサージ:
生後1週間ほど経った赤ちゃんに、シア・バターを塗布し、全身マッサージを行う。
これは、赤ちゃんの繊細で、弾力性のある肌を保ち、厳しい気候から肌を守ると同時に、体に柔軟性をつけるためである。
アフリカの人達の身体能力が高いのは、赤ちゃんの時に行ったこのマッサージが、柔軟性のある体づくりに大きく影響しているのではないだろうか?
マッサージの開始時期が遅れると、赤ちゃんにとってはマッサージは痛いだけらしい(ローマ人は長い間、バターを野蛮人の食べ物として食べようとせず、ローマ風呂で塗り薬として使ったり赤ちゃんや幼児の体に塗って、体を柔軟にしていたようである)。
シアバターの木初めて見ました。(写真ですが)。これからもいろいろな木を紹介してください。
コメントありがとうございます。
日本には無い、珍しい木を紹介してゆきます。御期待ください。
今後とも引き続きフォローをお願いいたします。
これがシアバターの木なのですね。
大変参考になりますので、これからの記事を楽しみにしております。
また、この樹皮がこのような効能があるとは驚きで、それが伝えられていることもです。
アフリカに行った際には、赤痢に気を付けなければ ですよね(経験者)。
困ったら、書いてあることを参考に飲んでみます。
コメントありがとうございます。
アフリカの人たちは身近にある樹木や草木の効能に大変詳しいです。
先祖代々の言い伝えを信じて実行していますから、実績はあると思います。
薬が手元に無い時、応急処置的に服用するのも手かもしれません。
ただ、シアバターの木はどこにでもある木ではないのでご注意ください。
今後ともフォローをお願いいたします。