セネガルサッカー 1/2

《低迷期》

セネガルはその後、低迷期に入る。

2004、アフリカ・ネーションズ・カップの準々決勝でチュニジアに敗退。

2006のW杯ドイツ大会では、アフリカ予選敗退。

2006年のアフリカ・ネーションズ・カップでベスト4に進出し、エジプトに敗れたものの、復活の兆しを見せた。

2008のアフリカ・ネーションズ・カップは、予選大会を1位で通過したが、本選ではグループリーグで1試合も勝利せず敗退した。

2008年、2010年開催のW杯南アフリカ大会のアフリカ2次予選で3位に甘んじ、最終予選にも進むことができなかった。また、2010年開催のアフリカ・ネーションズ・カップへの出場権も失った。不甲斐ない結果に激怒したファンが、FSFの本部を襲撃した。窓を破壊しバスを燃やした上、暴徒化したファンが燃えるバリケードを建て、看板や窓に損傷を与え、警察と激しく衝突した。暴動は国立競技場にまで広がった。

2008-2009のシーズンで、日本のJリーグにあたるセネガル・プロサッカー・リーグLa Ligue sénégalaise de football professionnel(LSFP)がスタートした。セネガル・リーグには、リーグ1とリーグ2があり、各リーグの12チームがそれぞれ2回、互いの本拠地で試合を行い(ホーム&アウェイ方式)順位を決定する。シーズン終了後、リーグ1の下位2チームとリーグ2の上位2チームずつが自動的に入れ替わる。

2011年7、エル=ハジ・ディウフが、アフリカのサッカーシステム全体の汚職を告発すると、FSFはディウフに対し、すべてのサッカー関連活動を5年間禁止する処分を下した。FSFは、2012年に禁止処分を撤回した。

2012のアフリカ・ネーションズ・カップ本大会では、デンバ・バなど強力な攻撃陣を擁し、優勝候補に挙げられていたが、惜しくもグループリーグで敗退した。

2013年のアフリカ・ネーションズ・カップ2次予選、セネガル対コートジボワールの第2戦は、2012年10月13日、セネガル市内のレオポール・セダール・サンゴール競技場で行われた。後半71分に、コートジボワールのディディエ・ドログバが2得点目となるPKを決めて2対0とすると、PK判定に怒ったセネガルのファンが暴徒化し、競技場から火の手が上がり、石や空き缶、ビンが選手を目がけて投げられる事態となった。このため、試合は74分の時点で打ち切りとなった。この試合は、セネガルの敗戦扱いとなり、本大会出場を逃しただけではなく、CAF(アフリカサッカー連盟)は、レオポール・セダール・サンゴール競技場に対し、1年間の国際試合開催禁止の処分とし、FSFにも100.000米ドルの罰金を科した。

2014のW杯ブラジル大会でも、アフリカ3次予選でコートジボワールに敗れ、予選敗退となった。

《復活》

2015年、日韓ワールドカップでキャプテンを務めたアリウ・シセAlliou Ciséが監督に就任。2002年のような戦術的なチーム作りを行い、天才FWサディオ・マネやカリドゥ・クリバリがチームの中心選手となって、セネガル代表チームは復活し、快進撃を始めてゆく

アリウ・シセ監督

2017年、アフリカ・ネーションズ・カップで、グループBを首位で通過したセネガル代表と、グループAを2位で通過したカメルーンとの準々決勝は、延長戦でも決着がつかず、PK戦となった。このPK戦では、互いに4人目まで成功し、決着は5人目のマネに委ねられた。しかし、マネのシュートは、相手のGKにセーブされ、カメルーンのシュートはゴール左にきっちり決められた。この結果、セネガルは敗退し、カメルーンがベスト4進出を果たした。

サディオ・マネ

2018のW杯ロシア大会のアフリカ3予選では、グループ首位で4大会ぶり2度目の本大会出場を決めた。本大会では、初戦のポーランド戦は2対1で勝利。第2戦の日本戦では、サディオ・マネのゴールなどで2対2の引き分けにもつれこんだ。最終戦のコロンビア戦では、0対1で敗れた。3戦終えた時点で、日本と勝ち点、得失点差、総得点の全てで並んだものの反則ポイント(フェアプレーポイント)の差により3位となり、グループリーグ敗退となった。(注:セネガル代表の勝ち点は4で日本と並んだが、日本よりイエローカードが2枚多かった)

2019のアフリカ・ネーションズ・カップでは、マネの活躍によって決勝まで進むが、アルジェリアに敗れて準優勝となる。

2021年開催のアフリカ・ネーションズ・カップでは、エジプトをPK戦の末に破り、初優勝を果たした

この決勝では、リヴァプールFCでチームメイトでもあるサディオ・マネとエジプトのモハメッド・サラ―の対決が注目を集めた。

試合開始7分、セネガルがPKを獲得。キッカーを務めたマネのシュートはGKモハメッド・アブ・ガバルがセーブ。

その後、セネガルがボールを支配して攻め込む展開で試合が進むが、エジプトのGKの好セーブに阻まれた。一方、エジプトも、チェルシーに所属するセネガルのGKエドゥアール・メンディの鉄壁の守りを崩すことができず、無得点のまま90分が過ぎた。

延長戦でもゴールは生まれることはなく、試合はPK戦に突入した。

エジプトは、2人目のモハメッド・アブデルモネイムのシュートがポストに当たり、失敗。先攻のセネガルも、3人目のセネガルもブナ・サールがエジプトのGKアブ・ガバルに止められ失敗。エジプトの4人目のモハメド・ラシヌをGKメンディがセーブすると、5人目のマネが左隅に決め、試合終了。PK戦を4対2で制したセネガルがアフリカ・ネーションズ・カップの初制覇を果たした瞬間だった。

アフリカ・ネーションズ・カップ2021
優勝トロフィーを掲げるセネガル代表チーム

当時のサル大統領は、チーム全員に国家勲章を授与した。

ブルーノ・メツがこの優勝を知ったら、自分事のように喜んだだろう。

2022年のW杯カタール大会アフリカ最終予選でもエジプトと対戦。アウェーで行われた第1戦は、0対1で敗れたが、ホームで行われた第2戦では1対0 の末、PK戦にもつれ込み、最後は5人目のマネが決め、2大会連続の本大会出場を果たした。

2022のW杯カタール大会では、大会直前に、エースのマネが負傷のため欠場するというアクシデントに見舞われた。大きな不安を抱えながら開幕戦を迎えるが、初戦でオランダに0対2で敗退。しかし、第2戦で開催国のカタールに3対1で勝利した。最終戦のエクアドル戦では、後半、クリバリが決勝ゴールを決め、2対1で勝利し、2002年の日韓大会以来20年ぶりの決勝トーナメント進出を果たした。

決勝トーナメントのベスト16の第1試合では、イングランドと対戦したが、0対3で完敗した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください