ムソール

【ムソール】Musóor

ムソールの形は、《女性の数ほど存在する》と言われているほどバリエーションに富んでいて、セネガルの女性たちは自分独自の《マイ・ムソール》をあみだしている。

普通、ブーブーなどをつくった時の「あまり布」をムソールに使用するが、「あまり布」の大きさでは自分が望む形ができないことが多いので、同じ柄の布をムソール用に別途購入する女性が多い。

ブーブーと同じ柄のムソールでコーディネートをするのがおしゃれのポイント。

ムソールを巻くには、最低、長さ1.5m×幅50cmほどの布が必要。短いと、思うような形ができない。

「ムソール」という言葉は、古いフランス語の「ムショワールMouchoir」(頭に巻くスカーフ)に由来する。

ウォロフ語では、「ンジュンブルNjumbël」と言うが、一般的には「ムソール」の方がよく使われる。

フィートゥ Fiitu

最もシンプルな巻き方で、おしゃれのためではなく、作業を行う時の実用的な巻き方。

朝早くから夜遅くまで働く農家の女性や、掃除・洗濯・炊事を行う女中さんたちが好んで用いる。

布を額から巻いて、両端を交差させ、額の上で小さな結び目をつくる。

「フィートゥ」とはウォロフ語で、「強くしばる、固くしばる」という意味。

フィートゥ

切手になったフィートゥ

フィートゥのおしゃれなバージョン

クールペンニュ Kur peñ

「クールフェンニュ Kurfeñ」とも言う。

フランス語で「げんこつ」を意味する「Coup de poing」(クー・ドゥ・ポワン)がセネガル風に訛って、⦅クール・ペンヌ⦆→⦅クール・ペンニュ⦆→⦅クール・フェンニュ⦆になったと思われる。

額の前でつくる結び目が、「げんこつ」に似ていることからこの名前がついた。

フィートゥのバリエーション

1.布を手で掴めるくらいの幅に広げる。

2.布を額から巻く。

3.布の両端を頭の後ろにもってゆく。

4.両端を交差させる。

5.両端を額の前にもってくる。

6.額の上で結び目をつくる。

7.結び目の片方を長めにするとおしゃれ。
(上記1の時点で布の片方を長めにしておく)

8.完成!

クールペンニュ
クールペンニュ

タガル Tagal

「タガ―ル」とは、ウォロフ語で「やや横に付ける」という意味。

伝統的なムソールで、基本的なパターンが多い。

1.布を横に広げ、片方を長めに持つ。

2.布を額から頭の後ろに回し、

3.後ろでざっくり結ぶ。

4.完成!

タガル Tagal 2

1.布を横に広げる。

2.布の中央を持つ。

3.布を頭にかぶる。

4.布の片方を頭にかぶせ前に出す。もう片方を頭に巻く。

5.前方に出した布の端を、額に巻いた布の中に入れる。

6.布の両端を頭のうしろに集める。

7.両端をしぼる。

8.両端を右側に持ってくる。

9.強く結ぶ

10.両端を立ち上げ、まとめる。

11.布の立ち上がっている部分をピンで留める。

12.完成!

タガルTagal 3

タガル・ウェンガル  Tagal Wengal

ウェンガルは、ウォロフ語で「傾ける」という意味。

1.細くした布を顔の前に持ってくる。片方を長めにしておく。

2.額に布を巻き付ける。

3.布の両端を右側にまとめる。

4.片方が長くなるように結ぶ。

5.片方が立つように布を調整する。

6.完成!

タガル Tagal 4

タガル・ウェンガル  Tagal Wengal

または

ハール・ンバイ  Khar M’Baye

「ハール・ンバイ」は、セネガル相撲の試合の際、「闘いの歌」を歌う女性グリオ歌手の名前に由来している。

横で結ぶパターンが多い。

1.布を頭にかぶる。片方が長くなるように布を持つ。

2.布の両端を左側に集める。

3.両端をつかみ、

4.一方の端が左側に出るようにしばる。

5.一方の端が左側に出るようにする。

6.左側の端が立つように調整する。

7.完成!

タガル・ウェンガル
タガル・ウェンガル

タガル・ウェンガル

タガルTagal 5

ハール・ンバイ  Khar M’Baye

1.布を頭にかぶる。片方が長くなるように持つ。

2.布の両端を持って、

3.長い方の端が後ろに落ちるように結ぶ。

4.結び目を若干左側に移す。

5.完成!

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