《シニャールのムソール 》
シニャール(Signare)は、大西洋奴隷貿易時代(15世紀~19世紀)に、現地女性とヨーロッパ男性との間に生まれた混血女性で、その美しさから、《シニャール》(淑女)と呼ばれ、ヨーロッパ人の愛人になることが多かった。なかには、経済力を生かして多くの奴隷を擁し、それを交易現場で必要な労働力としてフランス人に貸し付け、富裕化し、政治的にも力を持った女性もいた。(『サン・ルイ、そしてシニャールと呼ばれた女性たち』小川了)
シニャールという言葉は、ポルトガル語の「セニョーラSenhora(淑女)」に由来している。
《色々な民族の女性たちのムソール》
セネガルで初めてカトリックの神父になった、ダヴィッド・ボアラは、1814年、フランス人の父とシニョールの母との間に、サン=ルイで生まれた。
彼は、セネガルの習慣、生活様式、文化、社会、歴史を考察し、『セネガル素描Esquisses sénégalaises』を著した。
この著作の中で、彼自身が実際に村を訪ねデッサンした様々な民族の女性のムソールが紹介されている。
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