《アワ・セック Awa Seck 》

イスラム教ムーリッド教団の総本山トゥーバの南西に位置するジュルベル市に生まれる。
サン・ルイのガストン・ベルジェ大学法学部を卒業後、ベルギーを旅行し、そこで結婚。
2012年にセネガルに戻り、電気通信会社に勤務。ムソールが大好きで、ジーンズとシャツの服装の時でも、ムソールを頭に巻いて働いていた。他の女性たちのムソールより美しかったため、会社内で評判になった。若い同僚たちからは、「ムソールをしたいが、巻き方が分からない。巻き方を教えて欲しい」と熱烈な要望があったと言う。
彼女にとって、ムソールは、「文化」であり、「おしゃれ」であり、ウィッグやエクステンションを使うより「経済的」だという。若い世代にムソールを好きになってもらいたいという願いから、2016年にムソール販売会社「レ・ムソール・ダワLes Moussors d’Awa」を立ち上げた。
現在、彼女はデザインをブリュッセルのブティックで行う一方、セネガルでは、刺繍や裁縫を習う女性のための職業訓練学校と契約を結び、製品の一部を学校で製作させている。
最近、ダカールにもう1つのブティックを開き、そこで他のデザイナーとコラボして新しい製品を作り、展示会などで発表している。
1ヶ月間に500個のムソールを売り上げているが、客自身が、自分の好みの生地を彼女のブティックに持参し、その場でムソールを作ってもらうパターンもある。
全世界を駆け巡り、各種イベントやサロンに参加している。日本でもパートナーや代理店をすでに見つけていて、製品の見本をプレゼンテーションするため時々来日している。
会社設立から7年後、彼女の製品は、アフリカ、欧米、中東で販売され、ベルギーのアストリッド王女のためにオーダーでムソールを作るまでになった。また、世界の歌姫ビヨンセのお気に入りでもある。
価格は、使用される布の種類にもよるが、10.000FCFA(約2.000円)~15.000FCFA(約3.000円)から購入できる。
2012年には、故郷のジュルベル市の団体から多数のミシンが寄付され、それを使って、刑務所で服役している女性たちに縫製の仕方を指導している。
現在、彼女は、ベルリンのガン患者団体の要請を受け、抗ガン剤治療で髪の毛を失った女性ガン患者たちにムソールの巻き方を教えている。
アワ・セックの言葉:
「私がムソール普及のために闘っているのは、現代の若い女性たちがムソールを自分のものにし、セネガル文化の美しさを多くの人に見せて欲しいからです」
彼女の製品は、単なる「おしゃれ」のレベルではなく、ほとんど「芸術」の域に達している。
アワ・セックの製品






《参考文献・Webサイト》
・『Esquisses Sénégalaises 』 Abbé David Boilat Karthala
・『En attendant le jugement dernier』Sémou Mama Diop Editions L’Harmattan
・『Célest ou le temps des Signares』Jean-Luc Angrand Editions Anne Pépin
・『Dictionnaire insolite du Sénégal』Christophe Parayre Cosmopole
・『セネガルとカーボベルデを知るための60章《39 サン・ルイ、そしてシニャールと呼ばれた女性たち》』小川 了 (明石書店)
・『5 Moussor diongoma sénégalaise/tuto foulard chantoum 2022』
・『Moussor turban sénégalaise/tuto foulard sénégalais』
コメントを残す