筆者は初めてフランスに行った時、シベリア鉄道を利用しました。
横浜港から客船ハバロフスク号に乗り、津軽海峡を通過して、翌朝、ナホトカに到着。そこから列車でウラジオストクまで行きシベリア鉄道に乗り変え、1週間かけてユーラシア大陸を横断し、モスクワに到着します。
昼も夜もひたすら雪景色の白樺の林を通りぬける壮大な旅でした。(全長9.297km=日本の最北端と最南端を1往復半の距離)
アルジェリアの石油プロジェクトに勤務していた頃、帰国休暇の際、日本には帰国せず、長距離バスをまる1日乗り継いで、サハラ砂漠の小さなオアシスの町、ジャネットに行きました。サハラ砂漠は、今から4000年前は緑の草原地帯で、人々は農業や牧畜などで生活を営んでいました。その頃、岩壁に描かれた絵が現在もたくさん残っています。
ジャネットに行ったのは、これらのプリミティフな絵を見るためでした。
壁画を間近に見た時、2000年後の日本も地球の温暖化でサハラ砂漠のようになり、砂の中に埋もれた屏風絵や障壁画が偶然発掘されて、世界遺産に登録されるかもしれない、と思ったものでした。
セネガルに滞在した際は、大型連休を利用して全長1287km(ほぼ東京・熊本間の距離)に亘ってセネガルを横断する、ダカール・バマコ鉄道の旅に出ました。そこでは、セネガルの人々との出会いがあり、非日常的な風景との出会いがありました。出発前、ダカール・バマコ鉄道の脱線の危険性を何度か聞かされ、不安な気持ちの中での旅立ちとなりましたが、旅が終わりに近づくにつれ、「旅よ、終わらないで、終わらないで」と心の奥底で祈っている自分がいました。
ダカール・バマコ鉄道は、フランスの植民地時代の1924年に完成し、100年の歴史をもつ由緒ある鉄道です。
日本のJRと違って秒刻みで運行されている訳ではなく、2~3日遅れるのは当然とされています。
近年は線路や設備の老朽化から脱線が頻発し、2010年以降は運休しています。
尚、駅や鉄道は、国によっては軍事施設と見なされることがあり、スパイと間違えられないように、今回の旅では写真撮影は慎重にならざるを得ませんでした。
コメントを残す