マドレーヌ諸島国立公園 (通称:ヘビ島)

マドレーヌ諸島国立公園の見学はこれで終了。

再度ピローグに乗ってダーカールに戻ることにする。

島にあるものを持ち出すことは禁じられている。
これを守らないと、帰りのピローグ(小舟)が転覆するという言い伝えがある。
ある時、子供が島にあるバオバブの実を持ち帰ったところ、その子が乗ったピローグが転覆したという。
レブ―族の住民にとって、島は聖域であり、島を保護し、神秘性を守り続ける場所なのである。

一度、西洋人の親子の観光客と島を回ったことがあるが、子供が飲みかけのコーラを誤って地面に落としてしまった。それを見た、公園管理局の職員がとっさに、「精霊(Génie)のために!」と呟いた。なぜ、そのようなことを職員は呟いたのか?筆者が想像するところでは、職員はこの島に精霊が住んでいることを信じているから、「子供は聖なる土地を穢すためにコーラをこぼしたのではなく、『精霊に飲ますためだった』」と精霊の気分を害さないように、とっさに気をつかったのだと思う…

公園の見学が終わり、予定の時刻になってもピローグが迎えに来なかった。

20分遅れでやっと到着したが、筆者たちを乗せたピローグは発進して間もなくガリッと大きな音をたてた。エンジンから煙が出て、ピローグは全く前に進まなかった。エンジンの割ピンが折れたらしい。予備のパーツは無い。船頭は慌てもしないで手鏡を出し、反射光を利用してSOSのサインを対岸に向って送っていた。そしていつもの事のように魯をゆっくりと漕ぎ始めた。潮の流れが早いのか、ピローグは流されているような感じだった。

近くに釣りをしている小舟が止まっていたので、船頭が助けを求めると、その小舟もイカリが岩に引っかかって抜けなくなっていた。我々のピローグが近づいてゆくと、その小舟のイカリが運よく取れたようだった。小舟の船頭は事情を聞くと、てきぱきと我々のピローグにロープを縛り、エンジンをかけて牽引を始めた。我々のピローグが動き始めると筆者は心底から「助かった!」と思った。

ラ・メール (海よ)

シャルル・トレネCharles Trenet 作詞・作曲

La mer

les a bercés

le long des golfes clairs

Et d’une chanson d’amour

La mer

a bercé mon coeur

pour la vie

海よ

ゆらしておくれ

明るい入り江に

愛の歌のように

海よ

ゆらしておくれ

私の生きる心を

(『MAGICTRAIN ミュージックブログ』より引用)

「ラ・メール」はYouTubeで聴くことができます

《参考文献・Webサイト》

・『Sénégal Ses Parcs Ses Animaux』J. Larvière  A.R. Dupuy   (Fernand Nathan)

・『A la découverte de « L’île aux Serpents』Pop N°47  04/01/2000

・『De Madeleine, la rebelle à Ngor, la pacifique』Sud Détente N° 79   26/06/1999

・『Cahier vacances 』Nouvel Horizon N° 535   Du 11 au 24 Août 2006

『Un sanctuaire naturel entre légendes greques et léboues』ZENITH

・『Pépinières et plantations forstières en Afrique tropical sèche』Institut sénégalais de recherches agricoles

『Arbres, arbustes et arbrisseaux nourriciers en Afrique occidental』Michel Baumer  ENDA

・『Plantes médicinales du sahel』Daniel Fortin, Modou Lô, Guy Maynart   ENDA

・『Plantes médicinales et soins en Afriaque』Pierre Saulnier  SEPIA

・『樹木大図説』

・『園芸植物大事典』小学館

・『熱帯の果物誌』

・『熱帯の有用果実』

・『西アフリカ航海の記録』岩波書店

・『Poissons de mer de l’ouest africain tropical』Bernard Seret  I.D.T.ORSTOM

・『ギョギョとサカナ★スター』

・『魚の博物事典』末広 恭雄 講談社学術文庫 

・『MAGICTRAIN ミュージックブログ』

・『Peinture sous verre du Sénégal』M.Renaudeau & M. Strobel NATHAN/NEA

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